帆布・サンブレラ・ターポリン・・・繊維資材販売・加工の木下資材です。 繊維の豆知識
実は奥が深いのです
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 一般に私達が目にする繊維には、大きく分けて以下のような種類があります。
 再生繊維 さいせいせんい
木材パルプや綿花に含まれている繊維素(天然の高分子)を一度薬品で溶かし、繊維に再生します。
レーヨンポリノジックキュプラ、など
 半合成繊維 はんごうせいせんい
繊維素や蛋白質のような天然の材料に化学薬品を作用させてから繊維に再生します。
アセテート、トリアセテートプロミックス、など。
 合成繊維 ごうせいせんい
石油などを原料として、科学的に合成された物質から作り出された繊維です。
ポリエステルアクリル・アクリル系ナイロンアラミドビニロンポリプロピレンポリエチレンポリウレタンポリ塩化ビニールビニリデン、など。
 天然繊維 てんねんせんい
植物繊維と動物繊維があります。
植物繊維ーコットン、麻、竹、パルプなど
動物繊維ー羊毛、絹など
 無機繊維 むきせんい
無機物を元にした繊維です。
ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維
その他、近年では、
吸水、速乾素材ー綿100%。 抗菌、消臭、UVカット、汚れの分解効果など
キチン・キトサン繊維ー天然の抗菌防臭機能。癒し効果のマイナスイオン
の他、防蚊加工した繊維や、花粉やホコリが付きにくく、落ちやすい繊維が開発され市場に出回るようになってきています。

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 レーヨン
日本で一番早く作られた化学繊維がレーヨンです。
木材パルプを原料とした繊維で成分は綿や麻と同じセルロース(繊維素)で構成されています。
レーヨンは吸湿、吸水性に優れ、染料によく染まり深みのある美しい色が得られます。
レーヨンにはフィラメントとステープルとがありますが、フィラメントは婦人服地や裏地などに、また偏平なフィラメント形状として、帽子や手芸糸などに使われています。
ステープルは、婦人服地やカーテン、織物製壁紙、ウエットテイシュ、菓子包装紙など使用、なお、繊維の強力を高めたステープルも作られ、自動車用のレザー調整品の基布として使われています。
 ポリノジック
作り方は普通のレーヨンとほぼ同じですが、湿潤状態での強さを高めたもので綿に近い性質と絹のような美しさとを兼ねそなえた繊維です。
特長は、強さがすぐれているので細番手織物ができ、絹のような光沢と、さらっとした風合いがあり、他の繊維ともよくなじみますので混紡、交織にも適しています。
洗濯しても縮みや型くずれすることはほとんどありません。
酸やアルカリに対して強く、綿と混紡してシルケット加工ができ、またサンフォライズ加工ができます。
 キュプラ
キュプラは同じグループのレーヨンやポリノジックがパルプを原料としているのに対して、コットン・リンター(綿の突から綿花(リント)をとったあとに残る短い繊維)を主原料にしています。
キュプラは非常に細い糸ができ、しなやかで肌触りが良い為、トリコットや、薄地の生地として多く使われています。キュプラはフィラメントが主体ですが、ステープルも若干作られています。
特長は、きわめて細い糸ができます。やわらかい感触と絹の風合いがあり、繊細で優雅な光沢をもつので高級な薄地の織物に最適です。
染色性がよく洗濯や日光で変色しにくい繊維です。
 アセテート・トリアセテート
アセテートフィラメントは絹のような光沢と感触があります。
わが国の生産量は多くはありませんが、アメリカでは衣料用として大量に使用されています。
パルプを主原料としているところはレーヨンと同じですが、これに酢酸をを化学的に作用させて作った繊維ですから植物性繊維の性質と、合成繊維の性質とをあわせて持っています。
アセテートは婦人物として用いられる事が多いようです。
トリアセテートは、アセテートよりも酢酸が多く結びついた繊維です。
このためアセテートよりは耐熱性に優れています。
 プロミクッス
アクリルの原料であるアクリロニトリルと、天然の動物性蛋白質(牛乳蛋白)とを重合して作った繊維で、半合成繊維の一つです。適度な吸湿性があり、絹のような感触と、美しい光沢とをもっています。
特長は、絹に良く似た暖か味のある感触があり、光沢も美しい。
耐候性にすぐれています。また、虫にはやや抵抗性がありますが、かびにおかされるので保存に注意が必要です。
 ポリエステル
ポリエステルは化学繊維の中で一番多量に生産されています。
ポリエステルは強度に優れ、しわになりにくく、吸湿性が少なく、熱可そ性があり、酸やアルカリに強いと言われています。
ポリエステルはフィラメントとステープルとがあります、
フィラメントは目的に応じて他の繊維と組み合わせたり撚糸し編物や加工糸織物にされます。フィラメントはその目的に応じて円形、三角形、扁平、中空などの多種多様な断面をした繊維にされます。
機能はそのままで、天然繊維にはない風合いや光沢をもつ新しい織物や編物に仕上がります
さらに絹の10分の1から100分の1の細さという超極細繊維も作られ、人工皮革、人工スエードや高密度織物の製品に使われています。
ステープルは他の繊維と良くなじむ性質があり、綿、毛、麻、などと混紡されて、おたがいの長所を生かした織物や編物が作られます。
ポリエステルにはさまざまな改質が加えられ、静電性繊維や難燃性繊維も作られています。
 アクリル・アクリル系
アクリルは化学繊維の中で一番羊毛に似た性質をもっており、あたたかな肌ざわりをもった、やわらかく軽い繊維です。光沢のあるもの、つや消ししたもの、やわらかい感触のものなど、自由に作ることができます。
又、繊維の断面を偏平にして獣毛風合いを有するもの、耐熱性を向上したもの、毛玉を生じにくくしたもの、抗菌防臭性能や静電気抑制等の機能性を付与したものなどがあります。
アクリルはステープルが多く作られ、そのほとんどが湿式紡糸法で製造されていますが、乾式紡糸法のものも作られており、異なる風合いを有し、新しい需要分野に開拓が進んでいます。
又、綿や羊毛など他の繊維と混ぜてお互いの長所を生かした混紡糸も作られています。
アクリルフィラメントは絹のような光沢と感触を有し、シルキーなニット製品や、和装品の分野に使われています。
アクリルはアクリルニトリルを主成分(85%以上)としたもので、35〜85%を含むものがアクリル系です。
 ナイロン
ナイロンは化学繊維の中でも長い歴史をもっているものの一つで、衣料用からインテリア用、産業資材用などあらゆる用途に使用されています。
ナイロンはその原料によりさまざまなタイプがあります。
日本国内で最も多く生産されているのが「ナイロン6」で、また少し耐熱性にすぐれる「ナイロン66」も作られています。
最近では耐熱性をさらに高めて溶融点が摂氏290度以上もある「ナイロン46」も実用化されています。
ナイロンはさまざまな形や太さの繊維を作ることが可能で、ナイロンと他の繊維とを組み合わせた従来にない外観と風合をもつ複合繊維や、極細の繊維一本一本のナイロンフィラメントの芯に光を熱に変換する炭素系の物質を入れた蓄熱保温繊維、静電気の発生を抑えた静電性繊維、より透明性を与えた美しい色合いをだす透明ナイロンなどさまざまな機能や風合い有するナイロンが生まれています。
特長は非常に強い繊維の一つで摩擦や折り曲げなどに対して丈夫です。
比重は1・14で生糸の80%、綿の70%という軽さです。
薬品、油に強く、海水にもおかされません。
 アラミド
アラミドはその成分によりパラ型とメタ型とがあります。
パラ型は強力や弾性にすぐれ、引張り強力はナイロン(強力タイプ)の2.5倍の強さがあります。
また、メタ型は耐熱性、難燃性にすぐれています。
パラ型アラミドは、高強力や高弾性率を生かして各種の補強材に使われており、中でもプラスッチクやコンクリートの補強用は軽くて丈夫なものができるので、重要な用途になっています。
メタ型アラミドはすぐれた難燃性を生かして消防服、レーサー服、高温作業服などに使用されています。
 ビニロン
日本で発明され、成長した合成繊維、それがビニロンです。
合成繊維の中では最も吸湿性がありますので、もめんによく似た合成繊維といわれています。
ビニロンは軽く、丈夫で耐候性にもすぐれていますから、工業用、農業用、漁業用など産業用途に広く用いられています。
ビニロンはステープルが主力の繊維ですがフィラメントもつくられています。
フィラメントには絹に似た風合いのものもあります。
特長は、比重は1.26〜1.30でレーヨン、アセテート、毛、綿などよりも軽い繊維です。特に摩擦強度に優れています。
もっとも綿に似た感触をもっており、合成繊維の中では最大の吸湿性があります。酸、アルカリに強く、腐ったり、カビや虫害をうけません。
 ポリプロピレン
石油を精製して得られるプロピレンを重合して作った繊維で、繊維の中では最も軽く水に浮く繊維です。強く、酸やアルカリにもおかされず、汚れがつきにくいなどの特長を生かしてカーペットや小形マットなどのインテリア分野やロープなどの産業資材分野に使用されています。
さらに、吸湿性や吸水性がほとんどないため保温性や速乾性にすぐれ、水着やソックス、肌着などに使用されています。しかし反面、耐熱性が他の合成繊維より低い一面もあります。
ポリプロピレンと他の溶融点の低い高分子との複合繊維とし、熱で溶けて自己接着する繊維としたものも作られており、衛生材料などに多く用いられています。
特長は、比重は0.91で全繊維の中で最も軽く、また非常に強い繊維です。
吸湿性や吸水性がほとんどなく、ぬれてもすぐ乾きます。また熱伝導率が低いため保温性に優れています。酸やアルカリなどの薬品に対して強い。熱可そ性があります。
 ポリエチレン
エチレンを重合してポリエチレンを作り、繊維にしたものです。
非常に強い繊維ですが耐熱性にはあまりよくありません。
ポリエチレンは衣料用には用いられず、産業用に使用されています。
なお、特殊な製法で作る高強力ポリエチレンは、強度がナイロン(強力タイプ)の3倍程度あり船舶用係留索などに使われています。
用途はひも類、魚網、釣り糸、ロープ、ろ過布、畳糸など。
 ポリウレタン
ポリウレタンは「スパンデックス」という一般名で呼ばれています。
ポリウレタンはグリコールとジイソシアネートを原料として特殊な紡糸方法により作られています。
繊維自体がゴムのようによく伸びちじみし、ゴムより強く老化しにくい繊維でまた自由に染色でき、細い糸ができます。
ポリウレタンはその性質上、100%使いの製品はなく、他の繊維と混ぜて利用されます。
ナイロンやポリエステルと一緒にポリウレタンを編み込んだツーウエイトリコットと呼ばれる布地はたて、よこ方向によく伸び、水着、レオタード、肌着などに使用されています。
また、ポリウレタンを芯にしてナイロンなど他の繊維で巻きつけた糸はカバード糸と呼ばれパンティストッキングやファンデーションに使用されています。
さらに綿などの紡績工程でポリウレタンを芯に挿入したコアスパン糸と呼ばれる糸もあり、タイツ、トレーナーなどに使用されています。
 ポリ塩化ビニル
ポリ塩化ビニルは世界で最も早く発明された合成繊維で、1931年にドイツで発明されました。
塩化ビニルを重合させてポリ塩化ビニルを作り繊維にします。
丈夫で耐候性にすぐれ、酸やアルカリにもおかされず、保温性にも富んでいます。ポリ塩化ビニルは他の繊維と摩擦することによって常にマイナスの静電気を帯電する性質があるため、この繊維の肌着を着るとリュウマチなどに効果があるといわれ、健康肌着としても販売されています。しかしこの繊維は耐熱性が低く、フィラメントでは60℃位から、ステープルでは90℃〜100℃位から縮み始めるという性質がありますので、アイロンがけを必要とされる衣服には、あまり使用されていません。耐熱性を高めたタイプのものも作られいますがこれでも105℃〜110℃位から縮み始めます。
用途は衣料用でメリヤス肌着、ソックスなど。産業用では漁網、ロープ、ろ過布、帆布、フェルトなど。
 ビニリデン
塩化ビニルと塩化ビニリデンとを共重合させて作った繊維です。耐薬品性にすぐれ、摩擦に強く、比重が大きく、インテリア分野や産業資材分野に使用され衣料用には用いられません。
また、音をよく透過する性質があります。
用途は、ブラインド、人工芝、カーテン、ブラシ、ろ過布、漁網、ロープ、など。
特長は、酸やアルカリなど薬品に強く、吸水性・吸湿性は全くありません。
音をよく透過します。難燃性です。
 ガラス繊維 Glass Fiber
原料は、けい砂、苦灰石(ドロマイト)、カオリン、重晶石、硼酸など。
長繊維は、ポット法(粒状・球状のガラスを白金るつぼで溶かして、底部の小孔から引出し、超高速で延伸しつつ、高速回転のドラムに巻き取る。織物原糸用)又は、ロッド法(ガラス棒を並列し、先端を次第に溶融して引伸ばし、回転ドラムに巻き取る。電解隔膜板用の繊維向き)によって製造される。短繊維は、吹付法(るつぼ底部の孔から流下させた溶融ガラスに、高圧の水蒸気の気流か又は火焔を超高速で吹き当てる)か、遠心分離法(溶融ガラスの細流を、高速回転の円盤上に流下、遠心力で飛散させる)かによって製造する。
マットは、熔けたガラスを高圧ガス流で吹き飛ばし、無方向に落下させて、コンベアか回転ドラムに吸い集め、樹脂で接着して作る。ステープル・ヤーンは、落ちてくる短繊維を、集束剤を加えつつネット・ドラムの上に吸い集め、引き剥がして紐状のスライパーとし、方撚りとするか2本撚り合せて糸とする。
紡織用の長繊維をガラス・ファイバー、断熱用の短繊維をグラス・ウールという。表面はきわめて平滑で、横断面の形は、正円です。
燃えない。酸化されない。500度の加熱に耐える。抗張力は強い。伸度は低い。柔軟ですが屈曲、摩擦にはあまり強くない。熱、電気の絶縁性にすぐれ、酸、アルカリ、湿気に強い。吸水性はありません。
 炭素繊維 Carbon Fiber
有機質の繊維を、その形を保ちつつ、加熱焼成し、炭化して作る。レーヨン、アクリルなどの人造繊維を原料とするものと、リグニンか石油または石炭のピッチから作った繊維状の原糸を原料とするものとがある。
発明王エジソンが1880年に、白熱電灯のフィラメントに使ったのが始めで、宇宙開発や航空用の材料として適した性能をもつことから、再認識され1950年ごろから研究が盛んに。
耐熱性が高く、酸素に触れないなら2500度に耐える、熱をよく伝える。
処理温度が200度から300度のものを耐炎繊維、800度から1500度のものを炭素繊維、そして2000度以上の高温で処理したものを、黒鉛繊維という。
金属よりも軽い、電気をよく通す、化学薬品に侵されない
用途は、宇宙ロケット、ミサイルの噴射口、航空機エンジン、プラスチックの強化材料CFRP、自動車部材、ゴルフクラブのシャフト、釣り竿、スキー、テニスのラケット、制電繊維の複合原料など。

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